大が小を兼ねられるか?

突然ですが、

「大は小を兼ねる」という言葉がありますよね。

多くの人はまあそうだろう。と思っているかもしれませんね。

 

しかし、仮に能力の相違を大小で表して考えるとしたら

どうでしょう?

そうは言えないかもしれませんね。

 

 

 

例えば、職場において、誰かに仕事を教える際、

相手の理解力に合わせて、

教え方を変えることは皆さんできていますでしょうか?

 

実際の事例で説明していきます。

ある職場で、新しく派遣社員の方が入ってきました。

見た感じ、どうもあまり理解力の高くない方のようでした。

 

その新人さんの教育係を任されたのは、若手の社員さんでした。

社員さんは新人さんに仕事を教えるのに、

作業工程のみならず、「何故その作業が必要か?」

など社員レベルの細かい知識を1から10まで伝えていました。

 

新人さんはとりあえず返事をして、理解しようとしていました。

 

しかしよくよく聞いてみると、1から10まで細かく伝えられているため、

要点や手順、実際の作業内容があまり頭に入ってきていないようでした。

 

そのせいか、仕事中に初歩的な事や的外れな事を質問してくることもあり、

ちょっと心配になってしまいました。

 

教えていた社員さんは、自分が教わったことを思い出して教えていたのでしょう。

しかし、右も左も分からない上、理解力にかなり差のある新人さんにとっては

1度にたくさんのことを言われて難しく感じてしまったようでした。

 

新人さんがよく分かっていないのは教えていた社員さんにも分かったようで、

さらに根気よく時間を割いて長い時間説明していました。

 

しかし、必要なのは時間をかけて細かい説明をすることでは無かったと私は思います。

 

今回の教え方は、まるで論文のようでした。

論文のような複雑で長い説明は、誰でもすぐに分かるものではないのです。

 

しかし、元々能力の高い人は、

 

すぐには分からなくても、ゆっくり熟読すれば分かるハズ。

一通り流し読みすればある程度要点は分かるハズ。

 

と、自分の感覚で教え方の水準を高く設定してしまう可能性があるのです。

 

誰にでもすぐに内容が分かるようにするなら、

もっと要点を噛み砕いた短い説明にするなど、工夫が必要でした。

 

そのことに気づいて、相手の理解力に水準を合わせられるかどうか。

そこが腕の見せどころなのです。

 

「なんで分からないの?」

「ちゃんと読めば分かる」

 

と言うことは簡単です。誰でも出来ます。

 

だからこそ、相手の落ち度だと開き直るのではなく、

「誰にでも分かりやすいようにするには?」

を追求するところに力を注いで欲しいのです。